安全な水の確保の仕方

楽しいアウトドアの時間を過ごすとき、自然の中では突然何が起こるかわかりませんから、緊急事態への備えが必要です。何より大切なのが「水」の確保!人間は食べ物がなくても1週間くらい生きられますが、水がなければ2~3日で生命活動が止まってしまいます。手持ちの水で足りるなら一番良いですが、1日に必要な2.5リットル量を緊急時に備えて数日分持ち歩くのは現実的ではありません。幸い、自然の中には水を確保できる状態がいろいろとあります。それをいかに飲めるようにするか、を知っておきましょう。

まずは水源の確保です。小川や池、湖があると水の量はかなりあるのでかなり安心できますが、流れていない水はそのまま飲むことは避けましょう。雨や雪、みぞれに雹など降ってくる水分は新鮮で、街なかに降るものよりも安全性が高いです。汽水や塩水も上流すれば飲めます。いずれの場合も、そのまま飲めるものもありますがより安全を考慮して消毒する必要があります。

簡単で確実な方法は「煮沸」です。水中の寄生虫、バクテリア、その他の病原体を殺すために最も確実なことは、水を沸騰させることです。すべての形態の化学汚染を蒸発させるわけではありませんが、それでも最も安全な消毒方法の1つです。火が熾せて耐熱性の容器があれば火にかけて沸騰させます。耐火性の容器がない場合は、岩を火で30分間熱し、水の容器に入れます。容器は、岩のくぼみ、折りたたまれた樹皮などを使うこともできます。

病原体などではなく、汚染物質が多そうな水しかない場合は「蒸留」が安全です。キャンプサイトの近くや温泉地のそばなどは飲み水に適していない水になっていることが考えられるので蒸留した方が良いです。水を加熱して蒸気にし、比較的きれいな水を作り出すことができます。蒸留によって、考えられるすべての汚染物質が除去されるわけではありませんが、ほとんどの重い粒子は除去できるでしょう。

「濾過」できるボトルや装置があると、水の確保は大分ラクになります。最近はストロータイプの非常に計量な水フィルターもありますので、緊急時でなくても平時から水の調達がしやすくなります。長く滞在する予定のときは、太陽光で「紫外線殺菌」する方法もあります。晴れて入れば透明なボトルにいれた水を二日ほど太陽にさらすだけで、最近やウイルスなどに対してかなり安全性の高い水を確保できるようになります。ただこの場合、化学物質の除去には弱いです。「薬品」を使用する方法もあり、2%ヨードチンキは安くて手軽に手に入れることができるので持ち歩いている人もいます。

安全な水が見つからない時、死にたくないからと処理をしない水を飲むのも選択のひとつですが、できるだけ健康で生還したいですよね。水確保の方法は、災害時対策としても覚えておきましょう。