「横向き寝」の人がアウトドアキャンプで快適に寝る方法

まわりが電気だらけの現代生活から抜け出し、自然に浸って静かに時を過ごすキャンプの時間──。キャンプはシンプルなライフスタイルへの回帰と言えるものですが、起きているときはそれが心地よくても、寝るときに楽しさが崩れてしまうことがあります。性能の良い寝具が開発されている今、家のベッドには仰向けでも横向きでもうつ伏せでも、それぞれの寝方で快適に睡眠がとれる布団が用意されているでしょう。しかし、キャンプ用品の寝具となると、仰向けに寝ている人が前提として作られています。普段はいつも横向きで寝ている人や、頻繁に寝返りをしている場合は、寝袋に寝辛さを感じたことがあるのではないでしょうか。

次の日の体力を養うための大事な睡眠はとても重要です。しかし一般的なミイラ型タイプの寝袋は、胸から足にかけて細くなっていく形でフィット感があり、保温性などに優れますが、ひざや腰を曲げたりする余裕がありません。仰向けに寝転がらないとうまく機能しない形になっていて、寝返りをしようものならフード部分が首や頭に巻き付いてくることもあります。フィットする形状のため全体の生地も少なく、小さくまとめることもできるのでキャンプギアとしては機能的ですが、睡眠の快適さを考えると難しいところがあります。

横向き寝タイプの方で、アウトドアには車で行くのなら、小さく軽いミイラ型のバックパック用の寝袋ではなく、長方形の寝袋を使うのがお勧めです。コンパクトにはなりませんが、睡眠中は布団の中でいつものように動けますし、羽毛布団タイプのふかふか寝袋もあるので快適さもばっちりです。バックパックでキャンプをするのなら小さくて軽い寝袋を選ばなければいけませんが、その場合は下半身部分のフィットが少し緩く、寝袋の中で動きまわる余地があるものを選ぶと良いでしょう。

スリーピングマットに関しても、仰向けで寝るときとは圧のかかり方が違うので、薄手のものだと体の負担が多くなりがちです。エアセルが大きいとマットが変形してせっかくの空気が押されて偏り、腰やヒザが硬い地面に押し付けられることになります。カーキャンプなら厚手のマットを用意することで解決できますが、バックパックで出かけるときはエアセルが小さくたくさんあるものを探してください。

最後に枕ですが、横向き寝タイプの持ち運びやすいアウトドア用枕はあまりないので、寝袋を取り出した外袋に着替え用の服を入れて自分好みの形に整えるのが、省スペースにもなる良い枕になります。

アウトドアの環境でも、自分の寝方でリラックスした夜を過ごせるよう、いろいろ試してみてくださいね。