アウトドアで夜を過ごすとき、そこに火があるのとないのでは思い出に大きな違いがあるでしょう。たき火にはそれほどの魅力があります。
昔むかしは寒さを凌いだり、調理をするために日常で火をおこしていましたが、現代のわたしたちは電化製品や調理機器を使うので、火を扱うことはそう多くないですよね。外での時間を過ごすときに、マシュマロを焼いたり、のんびり話をしたりするためにたき火を始めたいとき、安全に行う方法を知っておきましょう。
まず大切なのは、適した場所を選択することです。2020年の日本では、道端や庭で適当に火をおこすわけにはいきません。まずたき火可能な場所であること、もしくは許可が取れる場所であること。次に、火が燃え移らないよう、乾いた草や枯れ草がある場所もいけません。地面、砂、または砂利の上で平坦な場所が良いです。樹が生い茂るような場所では、頭上にも気を配ります。炎が届くような枝やつるが垂れ下がっていないことを確認しておきましょう。たき火付近は広く空が見えるところが理想的です。
次は、火をおこすために必要な3つの材料です。大きさの違う焚き木を集めます。生木は煙がでるので、乾いた木が必須です。
まずティンダー(火口)。綿棒くらいの細さの木屑や藁などです。これを燃やして火種にします。そして火種ができたら火を移す、もう少し大きくて燃えやすいキンドリング。指の太さくらいの破片や細枝です。松ぼっくりやきつく巻いた新聞をつかうこともあります。
そして、火を長く保つための燃料となる薪ですね。丸太を割ったものや大きな枝が使えます。
火が安定する前に材料がなくなるとどうしようもないので、必要かなと思う量の倍は集めておくと良いでしょう。ティンダーやキンドリングは余ってもすぐに燃えます。
風上から火をつけられるように、木を組みましょう。着火道具は火打石などかっこいいものもありますが、ライターやマッチで十分です。小さい材料から火をつけ、徐々に大きい材料を乗せて燃やしていきます。空気が入ってよく燃えるように、木と木は密集させず間をあけながら乗せましょう。早く大きな火を作りたくなる気持ちは抑えてくださいね。急に木を積み上げると炎が窒息して消えてしまいます。
ゆっくりと時間を過ごしながら、少しずつ木をくべてたき火を楽しみましょう。
すっかりたき火を楽しんだあとは、安全な消火です。消火用の水を、シューという音が止まるまで、火の上にゆっくりと注ぎます。煙を吸い込まないように、火の真上に立たないでください。だいたい消えたら、地面に灰をかき混ぜます。そうすると、消しきれていない残り火が見えることがあるので、また水をかけたり足で踏み消したりします。水が足りないときは、土や砂をかけると残り火から酸素が奪われ、火が消えます。
ガスボンベを使ったコンロや、ホワイトガソリンを使ったランタンなどいろんな火がありますが、ぱちぱちという音も癒しになるたき火を見る時間は格別です。是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。