日帰りのハイキングでも、週末のキャンプ旅行でも、たっぷり楽しい時間をアウトドアで過ごして帰った後に、後回しにしたくなるのはアウトドア用具の掃除ではないでしょうか。疲れていたり、面倒なことをしたくなかったり、と使ったものをシーズン終わりにそのまま置きっぱなしにしてしまうと……。翌シーズンが始まるからと思い出した時には、ちょっと触りたくないような状態になっていることも!次回からは気を付けるとして、やってしまったものはしょうがないので、気づいた時が手の出し時です。春がきたらすぐ遊びにいけるように、アウトドア用品のケアを今のうちにしておきましょう。
・バックパックのケア
いろんなものを詰めて、いろんなところに置かれるバッグ。汗に汚れ、出し忘れた食べ物などがバッグに残って、変なにおいがしたりしていませんか? 汗の塩分はジッパーの金属を腐食させ、ナイロン生地も傷めます。これをいきなり洗濯機に放り込むのはNG!まず、汚れや破片を掃除機で吸い取ります。次に中性洗剤を薄めたもので、スポンジまたは布を使用してパックを拭き取ります。ものによってはお湯や部分汚れ用洗剤の使用を避けるように推奨しているものもあるので、洗濯タグを見て判断してください。拭きながら、ジッパーのチェックをします。汚れや破片で詰まっていたら、掃除機で吸い取るか、歯ブラシなどの柔らかいナイロンブラシで掃除しましょう。湿ったバッグを乾燥機にいれるのもNG。新聞紙を詰めて、陰干しするのが良いです。
・テントのケア
雨や朝露で濡れやすいテントは、カビやすいアウトドア用品です。カビるとテント生地のコーティングにもダメージがありますし、嫌な臭いのもとにもなります。衛生的にも最悪です。使った後はテントを乾かすのが一番良い方法ですが、カビが発生してしまった場合は、中性洗剤を布に含ませて拭く、消毒用エタノールを吹きかけて殺菌するなどの処置をします。カビによる黒ずみなど色がついてしまったものは、自分で処置するのは無理と思った方が良いです。薬品を使ったカビ取り剤はいろいろありますが、だいたい塩素系でテント生地を傷めますから使わない方が良いでしょう。酸素系漂白剤に漬ける方法もありますが、生地によっては撥水効果が薄れることもあるので注意が必要です。カビを落としたいなら、アウトドア用品のクリーニングサービスを利用することをお勧めします。
このようにテントケアは面倒ごとが多いので、使ったあとは面倒でもテントを乾燥させて、陽の当らない乾燥した場所にしまうことを徹底するのが最善です。
・寝袋(シュラフ)のケア
寝袋は、寝汗や皮脂、空気中の水分などが付着して汚れがたまっていくので、ときどき洗わなければいけません。洗濯表示をチェックして、洗濯機の使用がOKなら、コインランドリーにあるような大きな洗濯機で洗うと小型の洗濯機で洗うよりも傷みが少なく済みます。洗濯機が使えないものは、手で押し洗いして、押して脱水し、バスタオルなどに挟んで水分をとって陰干しします。頻繁に洗うと中綿が早く劣化してしまうので、週末に使うくらいなら1シーズンに1~2回洗えば十分です。目立った汚れが生じたら、洗剤を付けた布で部分的に拭きとって乾かしておきましょう。使わない期間が長い時は、持ち歩き用の袋にぎゅうぎゅう詰めておかず、大きめのネットに入れてふんわりした状態で保管しましょう。
出かける用事のない冬の週末は、ギアのお手入れに時間を使ってください。これからくる楽しい春を思えば、お手入れも楽しいですよ!